01この処方の考え方
古典(金匱要略)には、理由もなく悲しくなって涙が出る、あくびばかり続く──という状態への記載があり、この処方が名指しで当てられてきました。鎮静剤のように抑え込むのではなく、甘みで養って、張りつめたものをゆるめるという発想です。
構成は甘草・小麦・大棗の3味だけ。どれも台所にあるような素材です。東洋医学の「甘い味は緊張を緩める」という見立てが、そのまま処方のかたちになった最小構成です。
02こんな状態に使われてきました
- 涙もろくなった・涙が止まらない
- 気持ちの高ぶり
- そわそわして落ち着かない
- あくびが続く
結果ページでは、気分の落ち込みの心脾両虚、更年期の心腎不交の証で登場します。「涙が止まらないとき、この三味が使われてきました」という文脈です。つらさが強い場合は、心療内科との併診も選択肢として書いています。
03気をつけること
- 3味のうち1つが甘草で、1日量に含まれる甘草が多い処方です。むくみ・血圧上昇・手足の脱力が出たら、続けずに処方元へ相談してください(偽アルドステロン症)。
- ほかの漢方薬・市販薬(甘草湯・芍薬甘草湯など)と重ねると甘草が過量になりやすい処方です。併用は必ずお薬手帳で管理してください。
04どこで相談できるか
医療用(保険診療の医師の処方)と、一般用(薬局・ドラッグストア)があります。同じ処方名でも生薬の配合量が違うことがあり、選ぶプロセスも異なります。くわしくは Q&A の「漢方は、どこで相談できますか?」「市販の漢方と、病院の漢方は違うものですか?」へ。
- 添付文書(重大な副作用の項)
このページは処方の解説であり、服用のすすめではありません。漢方薬は証(からだの状態)に合わせて選ぶ薬です。購入・服用の前に、医師・薬剤師・登録販売者にご相談ください。

