
このページは、東洋診断.comが何を根拠にしていて、どこから先が言えないのかを書いたページです。当サイトの結果は医学的な診断ではありません。東洋医学の枠組みで、いまのからだの状態を言葉にして整理するためのものです。
これから整えるところを、先に書きます
そのうえで、名称・分類・判定の考え方をどこから取っているかを、出典つきで以下に示します。
01
当サイトが使う「証」の名称と分類は、WHOのICD-11(国際疾病分類 第11回改訂版)第26章 補助章「伝統医学の病態」のモジュールIに収載されているものに対応します。この章には196の証がコードつきで収められています。当サイトが扱う主要な42の証について、実際のコードを確認しました。
このモジュールIは、WHO自身の説明によれば「中国・日本・韓国の分類を国際的に調和させた統合集合」です。中国だけの体系ではありません。
実際のコードの例
SF6JHeart-spleen deficiency pattern (TM1)SF57Liver qi stagnation pattern (TM1)SE90Qi deficiency pattern (TM1)SF04Blood stasis pattern (TM1)ここは誤解されやすいので、はっきり書きます。第26章についてWHOは「任意で使う下位分類であり、死因統計に用いることを意図していない」と明記しています。国際的に統計が取れるように名前と番号を整理した、という意味であって、治療効果が認められたという意味ではありません。当サイトは「WHOが認めた」という言い方をしません。
WHOは、証と体質を別のものとして定義しています。
当サイトが扱うのは前者です。体質そのもののラベルではなく、いまの状態の記述なので、時期が変われば結果も変わります。
WHOの規定(原文)
Coding should always include also a category from the chapters 1-24 of ICD.
コーディングにあたっては、必ずICDの第1章から第24章のカテゴリも併せて含めなければなりません。
第1章から第24章は、いわゆる西洋医学の病名です。つまりWHOは「証のコードだけでは成立しない。必ず病名と併記せよ」と定めています。当サイトが「まず医療機関で調べてください」と繰り返すのは、この規定と同じ考え方です。
02
症状ごとに8つの質問があり、選択肢を選ぶと、いくつかの証にそれぞれ点数が入ります。特徴的な所見ほど高い点になります。
表示している数値は満点比です。「その証で見るべき所見が、どれだけ揃っているか」を、その証が取り得る最大点に対する割合で出しています。他の証との相対比ではありません。所見が薄ければ、1位でも数値は低く出ます。
断定しない条件を、先に決めています
後述するとおり、証の判定は専門家同士でも一致しにくいものです。迷ったら断定しない側に倒す設計にしています。
症状に点数をつけて合計し、しきい値を超えたら「その傾向がある」と判定する方式は、当サイトの独自の発明ではありません。日本の漢方診療では、寺澤捷年『症例から学ぶ和漢診療学』(医学書院)で示された「気血水スコア」が同じ考え方をとっており、日本東洋医学雑誌に載る臨床研究でも実際に使われています(日本東洋医学雑誌 69(4):321-327, 2018)。
気血水スコアには、当サイトの設計に効いている特徴が3つあります。症状ごとに点が違うこと、しきい値が証ごとに違うこと(気虚は30点超、瘀血は21点超、水滞は13点超)、「程度の軽いものは半分の点」というルールがあること。当サイトが採用できているのは1つ目だけで、2つ目と3つ目はまだ実装していません。
LIMITATION
当サイトにとって都合の悪い事実ですが、これを書かずに根拠の話はできません。
さらに、構造化した質問票を使っても専門家間の一致度は改善しなかったという試験があります(Schnyer 2019)。当サイトの方式が「専門家より正確」ということを意味しないのは、この点からも明らかです。1つの証に断定せず、複数の候補を並べ、所見が薄いときは「当てはまりません」と出すのは、これらの数字を踏まえた設計です。
04
何もしなかった人と比べた場合──「鍼を受けた人」対「順番待ちで何もしていない人」。この比べ方だと、鍼のほうがよくなったという結果が出やすくなります。ただしここには、通ったこと・話を聞いてもらったこと・「よくなるはずだ」という期待も全部含まれています。
偽の鍼(シャム鍼)と比べた場合──「本物の鍼」対「刺さない鍼」。受ける人にはどちらか分かりません。通うことや期待の効果を差し引いて、鍼そのものの効果だけを見ようとするものです。
多くの症状で、前者では差がつくのに、後者ではほとんど、あるいはまったく差がつきません。この差をどう読むかは研究者のあいだでも割れています。
当サイトはどちらの立場も取りませんが、前者の結果を後者の結果であるかのように書くことはしません。
| 症状 | 何と比べて、どうだったか | 研究の質 |
|---|---|---|
| 片頭痛の予防 | 偽の鍼より少し良い。ただし差は小さい。予防薬とは少なくとも同等の可能性 | 中程度 |
| 緊張型頭痛の予防 | 偽の鍼より良い(頭痛が半分以下になった人 51%対43%) | 中程度 |
| 腰痛(慢性) | 偽の鍼との差は、臨床的に意味があるとされる水準に届いていない。何もしない場合と比べると差がある | 偽の鍼比は低〜非常に低 |
| 便秘(慢性・重症) | 偽の電気鍼より良い(週の排便が0.90回多い) | 中程度。ただし中国の単一研究グループの1試験に依存 |
| 不眠 | 「眠れた感じ」は偽の鍼より改善するが、実際の総睡眠時間には差がない | 低〜非常に低 |
| 胃腸の不調(機能性ディスペプシア) | 他の治療より良い・安全とは言えない | 低〜非常に低。7試験542名のみ |
| 慢性疲労 | 偽の鍼より良いが、著者自身が効果を過大評価している可能性を明記 | 低 |
| 気分の落ち込み | 偽の鍼との差はHAMDで1.69点。その大きさに意味があるかは疑わしい | 低 |
| PMS | 改善の可能性はあるが、根拠は1試験67名に依存。標準治療との比較試験はゼロ | 低〜非常に低 |
| 月経痛 | 有効かどうか判断できない | 低 |
| アレルギー性鼻炎・花粉症 | 米国耳鼻咽喉科学会は選択肢として提示してよいとし、米国アレルギー学会は推奨も否推奨もできないとする | 学会間で評価が割れている |
| アトピー性皮膚炎 | 重症度とかゆみは改善。皮疹の面積スコアとIgEには差なし | 低。8試験463名のみ |
| 肩こり・首のこり | 偽の鍼と比べて痛みに有意差なし。機能面の改善はあり | 「肩こり」自体のレビューは存在しない |
| 下痢・過敏性腸症候群 | 偽の鍼と比べて、症状の重さもQOLも改善なし | 中。明確に否定的 |
| 更年期のほてり | 偽の鍼と差なし。さらにホルモン補充療法より劣る | 低〜非常に低。否定的 |
| めまい | 判断材料なし | レビューが見つかっていない |
| 冷え・むくみ | 判断材料なし | レビューが1本もない |
| 動悸 | 判断材料なし | レビューが1本もない |
| 肌荒れ(アトピー以外) | 判断材料なし | レビューが見つかっていない |
「レビューが見つかっていない」と書いている症状(めまい・冷え・むくみ・動悸・肌荒れ)は、効かないことが証明されたという意味ではありません。調べた研究がまだない、という意味です。一方、下痢・過敏性腸症候群と更年期のほてりは、偽の鍼と比べて差がなかったという結果が実際に出ています。この2つは意味が違うので、分けて書いています。
当サイトが扱う16の症状のうち、日本の診療ガイドラインが漢方薬に「エビデンスレベルA・推奨の強さ強」を付けているのは、機能性ディスペプシア(胃の不調)に対する六君子湯だけです(日本消化器病学会『機能性消化管疾患診療ガイドライン2021』)。
他の処方については、主要な評価項目で差がつかなかった大規模試験のほうが多いのが実情です。だから当サイトは、処方について「〜に使われてきました」という書き方しかしません。
漢方薬には副作用があります。甘草による偽アルドステロン症は用量が増えるほど頻度が上がり、山梔子の長期使用では腸間膜静脈硬化症が報告されています。鍼灸にも、内出血や一時的なだるさ、まれに気胸や感染の報告があります。
これらは結果ページの各アプローチの末尾に、本文と同じ文字サイズで書いています。
05
運営者は医療系の資格を持っていません。それは弱点であると同時に、どこか特定の院や薬に寄る理由がない、ということでもあります。中立でいられる代わりに、判断の根拠は全部見せる。それがこのページの役割です。
06
名称・分類の典拠
限界に関する研究
鍼灸・漢方のエビデンス
このページの記載は、一次情報にあたって確認できたものだけを載せています。確認が取れなかった数値や書誌情報は、意図的に書いていません。誤りにお気づきの場合は相談窓口からお知らせください。訂正します。

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