01この処方の考え方
眠れなさには2方向あります。高ぶって眠れないのか、消耗しきって眠りを保てないのか。酸棗仁湯は後者──「虚労虚煩、眠るを得ず」(疲れ果てて、心がざわつき、眠れない)という約1800年前の古典『金匱要略』の記述とともに伝わってきた処方です。
主役の酸棗仁はナツメの近縁種の種子で、心を養う生薬とされてきました。知母がほてりを冷まし、茯苓・川芎が支える構成です。
02こんな状態に使われてきました
- 疲れているのに目が冴える
- 眠りが浅く、すぐ覚める
- 動悸・寝汗
- 日中はぼんやり
結果ページでは心血虚・心陰虚系の不眠の証で登場します。「鎮静剤で落とす」のではなく「眠る体力を養う」という文脈で書いています。
03気をつけること
- 甘草を含みます。むくみ・血圧上昇・脱力が出たら中止して処方元へ。
- 不眠が2週間以上続く、日中の生活に支障が出ている場合は、この処方の検討より先に医療機関(心療内科・精神科・内科)への相談を優先してください。
04どこで相談できるか
医療用(保険診療の医師の処方)と、一般用(薬局・ドラッグストア)があります。同じ処方名でも生薬の配合量が違うことがあり、選ぶプロセスも異なります。くわしくは Q&A の「漢方は、どこで相談できますか?」「市販の漢方と、病院の漢方は違うものですか?」へ。
出典
- 『金匱要略』(原典の記述)
- 添付文書(重大な副作用の項)
このページは処方の解説であり、服用のすすめではありません。漢方薬は証(からだの状態)に合わせて選ぶ薬です。購入・服用の前に、医師・薬剤師・登録販売者にご相談ください。

