01この処方の考え方
名前の香は香附子、蘇は蘇葉(しその葉)。どちらも香りで気を巡らせる生薬です。東洋医学には「香りは滞りをひらく」という発想があり、香蘇散はそれをそのまま処方にした、気剤のなかで最もおだやかな部類とされてきました。胃腸が弱くて強い処方が合わない人の、気分の塞ぎやかぜの初期に使われてきた歴史があります。
香附子・蘇葉が気をひらき、陳皮が胃の気を巡らせ、甘草・生姜が支える。5味だけの軽い構成で、「攻めない気剤」という性格が骨格からも読み取れます。
02こんな状態に使われてきました
- 気分が塞ぐ
- 胃腸が弱い
- 食欲も落ちている
- ため息が多い
結果ページでは、気分の落ち込みの肝気鬱結・痰気鬱結の証で登場します。同じ気の詰まりでも、体力がなく胃腸の弱い人のおだやかな選択肢として書いています。
03気をつけること
- 甘草を含みます。むくみ・血圧上昇・脱力が出たら中止して処方元へ(偽アルドステロン症)。
- ほかの漢方薬・市販薬と併用するときは、甘草の重複に注意してください。
- 気分の落ち込みが2週間以上続く、生活に支障が出ているときは、漢方だけで抱えず受診も検討してください。
04どこで相談できるか
医療用(保険診療の医師の処方)と、一般用(薬局・ドラッグストア)があります。同じ処方名でも生薬の配合量が違うことがあり、選ぶプロセスも異なります。くわしくは Q&A の「漢方は、どこで相談できますか?」「市販の漢方と、病院の漢方は違うものですか?」へ。
- 添付文書(重大な副作用の項)
このページは処方の解説であり、服用のすすめではありません。漢方薬は証(からだの状態)に合わせて選ぶ薬です。購入・服用の前に、医師・薬剤師・登録販売者にご相談ください。

