01この処方の考え方
ふわふわ揺れるめまい、頭痛、耳鳴り、顔の赤み──東洋医学はこれを、肝の高ぶりが上へ突き上げた状態と見ます。天麻鉤藤飲は、その高ぶりを天麻・釣藤鈎・石決明(アワビの殻)で鎮める、中医学で広く使われてきた処方です。
特徴は、鎮めるだけで終わらないこと。杜仲・桑寄生が下(肝腎)を養い、夜交藤・茯神が眠りを支え、山梔子・黄芩が熱を冷ます。上を鎮め、下を養い、夜を整えるという三方向の設計です。
02こんな状態に使われてきました
- ふわふわ揺れるめまい
- 頭痛・耳鳴りをともなう
- イライラ・顔が赤い
- 眠りが浅い
結果ページでは、めまいのうち肝陽上亢の証の代表として登場します。釣藤散・抑肝散と並ぶ「高ぶりを鎮める」側の処方です。日本では医療用エキス製剤がなく、取り扱いのある漢方薬局・医療機関での相談になります。
03気をつけること
- 山梔子を含みます。長期服用で腸間膜静脈硬化症の報告があります。長く飲む場合は、処方元に経過を見てもらってください。
- ろれつが回らない・手足のしびれ・激しい頭痛をともなうめまいは、この処方の話ではなく先に受診してください(結果ページのレッドフラグにも明記しています)。
- 血圧そのものの管理は医療機関の領域です。血圧が高い場合は、測定と受診を続けてください。
04どこで相談できるか
医療用(保険診療の医師の処方)と、一般用(薬局・ドラッグストア)があります。同じ処方名でも生薬の配合量が違うことがあり、選ぶプロセスも異なります。くわしくは Q&A の「漢方は、どこで相談できますか?」「市販の漢方と、病院の漢方は違うものですか?」へ。
このページは処方の解説であり、服用のすすめではありません。漢方薬は証(からだの状態)に合わせて選ぶ薬です。購入・服用の前に、医師・薬剤師・登録販売者にご相談ください。

