01この処方の考え方
空咳が続く、口やのどが渇く、胃も乾いた感じで食が進まない。東洋医学はこれを、肺と胃のうるおい(陰)が削られた状態と見ます。沙参麦冬湯は、清代の『温病条弁』──熱性の病で消耗した体の立て直しを研究した医学書──に載る、潤す側の代表的な処方です。
沙参・麦門冬・玉竹・天花粉と、うるおいを補う生薬がずらりと並ぶ構成です。桑葉が残った熱を払い、白扁豆が胃を支えます。温める生薬がほとんど入らない、方向のはっきりした設計です。
02こんな状態に使われてきました
- 空咳が続く
- 口やのどが渇く
- 胃が乾いた感じで食が細い
- 舌が赤く苔が少ない
結果ページでは、胃の不調のうち胃陰不足の証で登場します。麦門冬湯・益胃湯と並ぶ「潤す側」の処方です。日本では医療用エキス製剤が少ないため、取り扱いのある漢方薬局・医療機関での相談になります。
03気をつけること
- 甘草を含みます。むくみ・血圧上昇・脱力が出たら中止して相談してください(偽アルドステロン症)。他剤との甘草重複にも注意を。
- 冷えて胃腸が弱いタイプの不調(温めると楽になる)には、方向が逆とされます。証の確認が先です。
- 咳が長引く・血痰が出る・体重が減ってきた場合は、先に呼吸器内科を受診してください。
04どこで相談できるか
医療用(保険診療の医師の処方)と、一般用(薬局・ドラッグストア)があります。同じ処方名でも生薬の配合量が違うことがあり、選ぶプロセスも異なります。くわしくは Q&A の「漢方は、どこで相談できますか?」「市販の漢方と、病院の漢方は違うものですか?」へ。
このページは処方の解説であり、服用のすすめではありません。漢方薬は証(からだの状態)に合わせて選ぶ薬です。購入・服用の前に、医師・薬剤師・登録販売者にご相談ください。

